【本日の魚】真鯒

2022.08.30

真鯒と書いて「マゴチ」。ワニのような顔つきと肌触り、そして愛くるしい胸ビレがチャームポイントな釣り人を楽しませてくれる魚。

4時の目覚ましに5時に起床し、朝の30分と決めて自宅前の海へ短時間釣行に向かう。魚の気配薄く、「今日はアレとコレをやって、あの人に連絡して・・・」などと意識は完全にアッチの方にいってしまっている。リールを巻く手には力が入らず、後ろからはベンチに座っているオバサーファーの笑い声が聞こえてくる。が、そんな時に限って魚は来るもの。

突然に引ったくられるような生命体からの反応。推進力のある下半身から生み出させるブリンブリンとくる当たりはマゴチのそれに違いない。ファーストランからそれなりの大きさを想定する。高まる鼓動とは裏腹に、両隣の釣り人、朝の散歩の老夫婦、何者かが魚を掛けた自分に気がついてはいないか、ギャラリーの注目はあるのかないのか、一旦周囲を確認する。

ない。

誰も気づいていない。

そっと自分時間に戻り、魚と丁寧にやりとりすること数分。砂を被った60cm越えの見事な体躯のわがままボディが上がってきた。見るからに美味そうだ。針を外しながら、今宵の献立に思いを馳せる。成長と共にオスからメスへ性転換する魚でもあるマゴチは夏が旬。頭と骨はスープの出汁に、上半身と卵は煮付けにして、下半身は刺身で頂こうと思う。

今日も海の恵みに感謝。

釣り人:斉藤幸城

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